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『菌と人が共生する世界』
浅井秀斗
私たちが普段キノコと呼んでいるのは、地下にいるキノコの菌糸が作った子実体だ。キノコ菌の本体は地下にいる。キノコの菌糸は結合しあい地下に巨大な網目状の組織を形成している。
キノコ菌糸の多くは植物の根に共生している。このような菌を菌根菌と呼ぶ(菌根菌には子実体をつくらないカビに分類されるものも多い)。菌根菌は植物から光合成で合成された炭水化物をもらい、リンを始めとする土壌の養分を植物に供給する。植物は菌との共生関係がなくては生きていけない。その逆も然りだ。この菌と植物の共生関係は、捕食者と非捕食者の関係のみで捉えられてきた生態系の理解に一石を投じるものである。
人間も菌類(真菌)と共生関係を築くことができないだろうか。人とキノコは運命共同体になれるのか。人間は体内に大量の細菌を宿している。細菌との共生関係の詳細は未だよく分かっていない。菌類は、細菌より高度な生物である。
ウイルスは細胞膜をもたない「家なき子」である。どこかに居候させてもらわないと生きていけない故に「非生物」であると考えられてきた。しかし、この「非生物」と「生物」の境界が近年揺らいでいる¹。
ウイルス、細菌、菌類、プリミティブな生物とのミクロな関係を今一度考え直す機会をここで提供したい。
1:中屋敷均「生物と非生物の境界、ウイルスとは何か」 https://synodos.jp/science/20043 2021/2/14閲覧

題名:キノコ菌との共生
植物とキノコ菌との出会いは「偶然」であり、それを取り巻く状況も偶然性によって作られた「アッセンブリッジ」である。
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